室蘭市民美術館
室蘭市幸町6番23号(室蘭市文化センター地階)
tel 0143-22-1124
fax 0143-22-6602
 
 

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室蘭市民美術館

 北海道南部にある室蘭市は、人口8万9000人、鉄鋼業に代表される「ものづくりのまち」です。天然の良港を元に発展し、近年では培った工業技術を活かしPCB処理やシップリサイクルなどの環境産業にも取り組んでいます。一方室蘭には、文化芸術の歩みもあります。八木義徳をはじめ芥川賞作家を3名輩出し、昭和63年に港の文学館を設立した「文学のまち」でもありますし、平成20年には文化芸術の新たなる拠点として、室蘭市民美術館が設立されました。この美術館では、私たち「室蘭市民美術館をささえる会」が行政側とともに施設運営の両輪となって企画や事業に携わっています。(地域の力を信じる・活かす......室蘭市民美術館をささえる会会長 丸山貴陸氏の記述より抜粋)

 

 

30余年もの市民の熱い思いが形となって設立された室蘭市民美術館

室蘭市民美術館が設立されたのが平成20年10月1日。今から丁度7年前となるそうですが、一度行ってみたいと考えながらも初めて訪れたのが今年の7月31日、耐震工事で2016年3月末まで一時休館となる前日ぎりぎりの事でした。室蘭市文化センター地下1階に位置していることから、文化センターの入り口から足を進めました。(正面入り口には駐車場も完備されています。)

階段の踊り場で最初に目にしたのがこのオブジェ。

休館前日、実際のところ取材の申し込みをするべきかどうか迷っていましたが、温かみの感じられるこのオブジェを見たとたんに気持ちが固まりました。アポなし突撃取材です。

 

さらに階段を下っていくと、美術館の入り口が見えました。

どきまぎしながらも歓迎という文字に励まされ...いざ突撃~!!

スマホでlocalWikiをご覧頂きながら取材の申し込みをお願いしたところ、快く不在であった館長さんに連絡を取って頂け、1時間後に会って頂けることとなりました。約束の時間を心待ちにしながら観覧しました。

 

 

室内は、常設ギャラリー(9.5m×15.5m)とオープンギャラリー①(5.68m×9.72m)、オープンギャラリー②(4.55m×11.7m)、その他収蔵庫、多目的使所があります。常設ギャラリーには熊谷善正氏(1918~1987)の色彩の響演が展示されていました。

※熊谷善正は、全道展、二科会で会員として活躍したほか、1972年のカンヌビエンナーレで優秀賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を受けた室蘭を代表する画家のひとりです。本展(色彩の響演)では、自身が回教徒寺院の壁画表現に衝撃を受け、その基調色に魅せられ描いたともいわれる色調的表現作品と多彩な国内外の風景画を併せて画業の一端を紹介します。(室蘭市民美術館、色彩の響演PR資料より)

 

常設ギャラリーは、室蘭ゆかりの作家を中心に約500点の美術品が所蔵されていて、年10回程度の展示替えが行われているとのことで、作品の大部分は市民の方々からの寄贈だということです。

《主な所蔵作家》

絵画:西村喜久子、熊谷善正、伊藤正、佐久間恭子、北浦晃、武田貢、野本醇

版画:佐野敏夫

書:長谷川遅牛、加藤寿牛

写真:掛川源一郎

彫刻:高橋昭五郎

※絵画においては全道展創立会員で道内美術界における女性画家の草分け戦後工業港として活気に満ちた当地の風景などを油彩画に残した西村喜久子、書においては元室蘭市長である長谷川正治が遅牛と号する名高い書家であり、写真に置いては社会派カメラマンとして知られる掛川源一郎も室蘭出身で漁村における人々の暮らしを活写しています。(室蘭市民美術館をささえる会会長 丸山貴陸氏 記述より)

詳しくは、室蘭市のWebサイトの他、室蘭市民美術館をささえる会http://muroranm.exblog.jp/blogをご参照ください。

 

オープンギャラリー①、②は市民の創作発表の場として利用できるスペースで、当日も素晴らしい沢山の作品が展示されていました。

室蘭市民美術館は、見るという受け身だけではなく個展の開催という形での楽しみ方も出来るのも魅力の一つだと感じました。

 

 

突然の取材にとても気持ちよく時間を作ってくださった工藤館長さんと親切に対応してくださった2名の女性スタッフの方々に、またまたご無理をお願いして撮らせて頂いたのがこの1枚。

力を注いでいらっしゃることは何でしょうか?

工藤館長さん: 「土と遊ぼうをテーマにした『陶芸体験教室』や、室蘭港まつり協賛『港の写生会』をはじめとする小中学生のお子様、あるいは親子での参加イベントなどを通じて小さな頃から美術に触れる機会を設ける事や、18歳以上の方には『日曜画家作品展』など、自由な作品発表の場を提供し、作品交流を通じて和と輪を広げる事を目指しています。」

 

室蘭市民美術館について教えてください!!

工藤館長さん:「 室蘭市民美術館設立までには市の財政状況の悪化や地域産業構造の変化などあらゆる壁にぶつかり30年以上もの長い年月がかかりましたが、美術館を求める運動をはじめ設立後も多くの美術関係者や美術を心から愛するボランティアの方々に支えられて今現在も運営することが出来ています。開館以来、来館者数が12万人を上回るほど大勢の方に利用して頂いています。心の豊かさを求められる今日、美術館の存在意義がますます問われることになると思います。是非、今後も多くの方に利用して頂きたいです。」

 

室蘭市民美術館でもまた、室蘭の文化の土台を支えているのが市民であり、ボランティアの方々の力が大きいというお話を伺えました。室蘭の文化が豊かに育まれている理由には共通点が有りました。大勢の市民の方々がこの土地を愛し、そしてこの土地で生まれるものを自らの手で守り育てているということ。目に見えない力を強く感じました。

突然の取材に快く対応してくださった工藤館長さん、お二人の女性スタッフの方にこの場をお借りして御礼申し上げます。

また、来春までの休館の間は訪れられないという現状ではありますが、2016年4月再開の際には「室蘭美術の清華」仮名のイベントが開催される予定ということを伺いました。来春が待ち遠しい想いです。

〔2015/9/7 菅原由美〕

 

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