聖地・・室蘭海岸 について知っていることをぜひ教えてください
「聖地......室蘭海岸」
その価値を知る人は、季節を問わず船出する........
春には、ヒレに黒い帯があるクロガシラガレイ。
6-7月、徐々に海水温度が高まるにつれて、餌を見つけたとたん、海底からなんと2m以上も勢いよくジャンプして食いつくヒラメが登場する。
匂いが夏野菜の代表のきゅうりに似ていると名付けられたキュウリウオ。
アブラコ(あいなめ)は、四季を通じて釣り人を楽しませてくれるが、特に秋から冬にかけては
脂がのって、食通の舌を唸らせる....
室蘭海岸は、一年中色々なターゲットを狙える、全国でも非常に珍しい海で、
angler(釣り人)達のあいだでは 「聖地」 と呼ばれている……
陸地でも、ほんの数秒で凍てつく1月、精悍な顔をしたオスのマダラや、
冷えた体を温める鍋に、ほんのりとした甘みを醸し出す、すり身となるスケソウにも出逢える.....
だが、本当にangler(釣り人)を魅了する理由はそれだけではない….大物を射止めただけでは船出は終われないのだ….
真の釣り人には、自然を尊び、釣り上げた魚にも、最上級の愛情を捧げる心がある…..
撮影後の魚は、体力低下を防ぐために、酸素吸入を施し、大海へと返すのだ…
食べるために持ち帰るのは、そのうちのほんの限られた数、1匹か2匹
聖地には、真の釣り人の心を持つ人にのみ、繰り返し与えられる贈り物がある...
立ち上る室蘭霧が途切れ、陽の光を受け入れた瞬間………
この船出で出逢った勇者たちの存在をふと忘れてシャッターを切る…..
365日、朝夕と時間を従えて表情を変える景観....息をのむ程の絶景だ!!
それは、海と空が同色になる瞬間、
天空への掛け橋、
澄んだ空気の中で見せるシルエット
そして、胸に刻まれ薄れることを知らない蓮氷
その時、angler(釣り人)は室蘭海岸という大自然と一体となる……..そして再び、聖地へと戻ってくるのだ、春夏秋冬、時を選ばずに........
[2014/12/15 写真撮影 齋藤圭司 /文 菅原由美]
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