鳥よし について知っていることをぜひ教えてください

大将のやきとり。モツは丁寧に洗って、一時間以上煮込んでから串に刺す一手間。そして、玉ねぎが、串の一番手元に刺さっている。この一手間で、串は焦げず、肉は最後まで引き抜きやすい。

 

1932年(昭和7)年が室蘭のやきとりの始まり

鳥よしは輪西で、そして、室蘭で最初に豚肉のやきとりを焼いた、室蘭のやきとり発祥の店だ。大将は1937(昭和12)年の生まれ。「俺が母さんの胎に入っているときに、この店が建ったっんだ。店と同い年だよ」という。その前に、昭和7年ごろから、先代が帯広で覚えたやきとりを学んで輪西で始めたのだそうだ。

「僕の子供のころはこの辺は馬屋さ。家も少なかった。でも、そのうちいらっしゃいませなんて言う暇もなくなるくらいお客さんが来てれるようになったんですよ。あ、今はちゃんといらっしゃいませって言いますよ」と笑う。 鳥よしのタレは甘みととろみがある。タッパーの洋辛子が回ってくる。山椒がカウンターにある。その山椒を振ることでタレの旨味と呼び合ってこの上ない味を覚える。 そして、このタレを舐めながら酒を飲むのも最高。

タレは先代のおかみさんが亡くなったとき、肝を浸したという。だれも教わっていなかった。でも、大将の奥様が、お姑さんのお手伝いを横でされていたので、そのときの記憶を総動員。作り足してみたら旨い。先代のままの味を引き継げたのだそうだ。 焼き台には木炭。やきとりを焼いたり、はと燗が刺さって、酒を温めている。

炭にささるはと燗

 

隣近所の常連たちは、客が混んできたらすぐに会計を済ませて帰ってしまう。僕らに世話をやいてくれる優しい常連さんが多い。