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千葉市緑区のあすみヶ丘のチバリーヒルズと言われる高級住宅街。その南に位置する大椎城址。

千葉氏の祖・平忠常が築き、千葉常兼・常重親子が大治元年(1126年)に千葉に移るまでの居城として知られている。

一方で遺構については、次のような記述が見られる。

「戦国期しかもその末期の所産であることは明らかである。もちろん、平安時代の「城」跡がこの丘陵上に存在した可能性もなくはないが、この大椎城址の地にこだわる必要は全くなく、将来の課題として考えればよいことである。むしろ問題はこの城に拠った勢力について何等の記録さらには伝承さえみられないことであって、この点は城の性格と関わるのであろうか。ともあれ、大椎周辺が戦国末期に酒井氏の支配下にあったことが確実な以上、本城も酒井氏によって築城・維持されたとみてよいであろう。」 『日本中世城館調査報告書集成 第6巻 』 P169   17-21行

「遺構からみて戦国期のものであることは明らかで、土気城主酒井氏が村田川流域をおさえる支城として築いたと考えられる。城郭本体と城下集落が良好に依存する重要な城跡である。」『図説 房総の城郭』P78 14-15行

ということで、周辺集落との関係、酒井氏の勢力背景の観点から大椎城址を考えるのが面白そうだ。