寒川大橋 2015年12月撮影

 

寒川はかつて都川河口の港として栄えた場所であった。

明治44年出版の『千葉町案内』によれば千葉八景の一つに撰ぜられた当時の風景は以下のとおりである。

大橋は都川の河口に架つて居る千葉町で一番大きな橋だ。千葉の町から行く人は、此所へ来て始めてパッと明るい海を眺める事が出来る。橋の上に立つて海を見渡すのは心地の好いものである。川上には遙か畑中に赤十字の白堊が見へ、遠く沖には漁る小船、近く橋下には傅馬船が舳を揃へて並び、海へ注ぎ入る一波々々は、血のやうな色の夕焼雲の染んで赤い。晴嵐とは夕焼を云ふのである。[1]

現在の橋は千葉市内最初のコンクリート橋として昭和8年に県が施工したもの。戦後、沿岸の埋め立てが行われるまで、都川の河口や寒川沖での舟遊びが盛んだったという。[2]

 

 

参考資料:

[1]増島信吉『千葉町案内』千葉町案内発行所、明44.4(著作権切れ)

[2]フジサンケイリビング『京葉散歩(4)千葉市』第一書林資料出版室、51頁