愛染明王(あいぜんみょうおう)

 

熊谷市下川上にある宝乗院愛染堂のご本尊。江戸時代前期作の秘仏で、熊谷市指定有形民俗文化財。

顔三面、手六本に、「息災」の象徴として、左:五鈷鈴(ごこれい)、右:五鈷杵(ごこしょ)、「敬愛と融和」の象徴として、左:弓、右:矢(箭)、「増益と降伏」の象徴として、左:拳の中に摩尼宝珠(まにほうじゅ)、右:未敷蓮華(みふれんげ)を持ち、獅子冠を着け、蓮花に座しておられます。ご開帳は五十年とされている。2008年に愛染堂の屋根が一部崩落してしまい、愛染明王坐像は避難を余儀なくされている。

愛染明王のインド名は「ラーガラージャ」。人間の煩悩としての愛欲を悟りに変えてしまう明王で、恋愛成就に霊験ありとして多くの人から信仰されている。