「復興支援メディア隊 For Our Children」主催
特定非営利活動法人 映像情報士協会 理事長 榎田竜路氏

 

 

「僕にはさ、目に見えるんだよね。気仙沼から氷感にした魚が届いたってメールが来たお父さんの姿が。いても立ってもいられない思いで仕事をさっさと切り上げて、会社から駅まで走るわけ。電車の中でも走りたいくらいの思いでうちの中に駆け込むとさ、子供たちももう食卓についてお父さんの帰りを待ってるの。いただきます!って言ってさ、もうそれはそれは幸せな気分になるのよ」と、熱く語る榎田さん。

 

「復興の仕事で気仙沼に行ったとき、漁師さんが水揚げしたばかりの魚を食べてきなよ、ってご馳走してくれたんだけど、背筋がぞくぞくっとしたね、おいしくて。それを日本中の人に届ける方法はないかと思ってたら、あったのよ、氷感っていう方法が」
「ボクが住んでるところは、世界で一番おいしい魚を世界で一番優れた技術で届ける町なんだぜ」って、子供たちが自慢する町ってすごいと思わない。そういう町にしたいわけよ」
復興の仕事で何度も被災地を回っている榎田さんは、そういう思いで復興を考えている。「『被災地を元気にする』のではなく『被災地がみんなを元気にする』 幸せにする」

 

そんな復興の過程を、世界中の人たちに伝える、そのために、情報制作配信の専門家である映像情報士を派遣し、現地の人々が、現地の情報を収集・整理・配信するためのサポートを行うというのが、榎田氏が代表を務める特定非営利活動法人 映像情報士協会が創設した「復興支援メディア隊 For Our Children」だ。
子供たちが撮った写真に、お母さんたちがキャッチコピーと説明をつける。一枚の写真がコピーと合体することで、メッセージ性が高まる。プロの写真家ならコピーは要らないだろう。だが、被災地の子供が自分で見た景色を写真にすることに意味がある。そこに住む人がその写真にコピーをつけることで、プロのカメラマンが取った写真以上のメッセージを未来に残す。復興支援メディア隊とは、現地の情報発信力をはぐくむことで復興を支える活動だ。

 

自分たちの情報を自分たちで伝える技術を学んだ子供たちは、やがて日本を世界に発信する旗手となる。

 

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(取材日:2012年1月20日 ネットアクション事務局 前田由美)

 

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