善照寺善照寺(ぜんしょうじ)、華英山威光院は、浜町2丁目にある浄土真宗大谷派寺院。本尊は阿弥陀如来。開基は善照坊光栄(正中元年・1324没、享年88)。江戸時代には京都東六条・本願寺の末寺だった。(1)

縁起

光栄は、親鸞国府津で布教をしていた時に弟子になった(1)。古新宿町(浜町4丁目)に草庵を結び、善照庵と称した(1)(2)

  • 元禄年間(1688-1704)に記された縁起に、光栄は斎藤別当実盛の子・斎藤六だと記されていた。『風土記稿』は、年代が大きく異なっており、論じるまでもない妄説だが、或はその子孫だろうか、としている。(1)

2世・善栄のときに寺院となった(1)

10世・宗栄(江戸・善福寺の行宗の弟)は、江戸・浅草に堂宇を建立して「善照寺」と号し、江戸へ移住した。浜町の善照寺は、その子・泰栄に譲った。(1)

  • 浅草新堀端の善照寺の記録には、天正18年(1590)の小田原陣のとき、堂宇が火災で焼失したため、僧・明信が江戸に一寺を建てて移住した、とあった。明信は麻布・善福寺18世の弟である、と記してあり、浜町の善照寺の伝とは名前が異なっていた。(1)

13世・伝栄のとき、大地震で堂宇が損壊したため、現在の寺地に移ったという(1)

仏像

本尊の阿弥陀如来像のほかに、斎藤実盛の守護持仏という像高3寸(約15cm)の聖天(大聖歓喜天)の銅像が安置されていた(1)

寺紋

寺紋は確認できず。(2019年調査)

リンク

参考資料

  1. 風土記稿
  2. 寺院総覧編纂局『大日本寺院総覧』明治出版社、1916・大正5、p.568