石神社旧址(しゃくじんしゃきゅうし)は、鴨宮にあった石神社跡地

沿革

風土記稿』のとき、鴨宮村には寿明院持ちの石神社(しゃくじんしゃ)があった(1)。寿明院は、当山修験寺院で、不動尊を本尊としていた(1)

鴨宮・加茂神社の伝によると、文政3年(1820)に鴨宮875番地(字稲荷森)に佐軍神(さぐんしん)が祀られていたが、1950年(昭和25)3月に加茂神社の境内に移された(2)

また矢作在住の古矢氏の家伝によると、昔、京都から下ってきた「鴨内膳」という武士が、鴨宮876番地に居住し、屋敷内に神社と寺院を祀っていた。古書や仏像は、矢作の春光院に移された。不動尊は、鎌倉彫りの組込式で、約800年前(時期不定)に作られたものだった。鴨内膳は神主で、寺子屋の先生もしていた。内膳の孫娘は田島村の伊与田家に嫁いだので、伊与田家でも不動尊を祀っている。明治30年代(1897年 - 1906年)に嫡孫(号:隣斉)が東京へ移住したのを契機に、古矢家が祠を維持管理し、同地に居住するようになった云々、という。(2)

また加茂神社の佐軍神の掛軸(裏面に皇紀2600年(1940・昭和15年)修復とある)には、不動尊らしい神が描かれているという。戦前は上新田附近に居住する11軒が氏神とし、2ヵ月毎に持ち回りで宴会をしていた。戦後は氏子が13軒になり、年3回(2/15、7/1、10/1)開催し、男性の酒宴は廃止され、女性が昼間に集まるようになった。(2)

参考資料

  1. 『風土記稿』36 足柄下郡 15 成田庄 鴨宮村 寿明院・石神社
  2. さんわ会25周年記念誌編集委員会『下府中地域 我が町の今と昔』さんわ会、2000、56,59-60頁