2015.10.22.田辺編集会議 について知っていることをぜひ教えてください

和歌山大学観光学部の学生9名が編集会議を開催しました。(和歌山県立情報交流センターBig・U 5:30-17;00)
学生の他に、和歌山大学の教授陣に、南紀熊野観光塾の塾生、田辺高校、東京大学からゲストにおいでいただいて、とても楽しい会議でした。

午後からの会議に先立って、午前中、田辺市長の真砂充敏さん、藻谷浩介さん等と一緒に街をあるき、いい刺激を受けた学生たちが、それぞれに記事をまとめました。藻谷さんがされるご質問に、市長や多田稔子さん、玉井洋司さん、泉清さんが、自然にお応えになる姿はとても素晴らしいものでした。全体のコーディネートをされた和歌山大学の出口竜也教授も田辺のみなさんの力を再確認。

学生のみなさんは、講師の杉山幹夫(和歌山大学観光学部特別研究員)から「田辺に来て欲しいひとを思い浮かべてその人に見せたい写真を撮って、手紙を書くつもりで取材してください。人や商品を撮るときには、からなずネットに載ってもいいか確認をして」と告げられ、午後、15:00まで再度、自主的に街を取材。「自分の街よりも記事が書きやすいのかも。でも逆に自分の街でこそやりたいかも」とLocalWikiの活用に意欲的。

昼食ミーティングのとき東京大学情報学環の田中秀幸教授は「アメリカのLocalWikiは治安の悪い場所を指摘して注意を喚起するために更新がすすんでいる。それに対して、日本のLocalWikiは街のいいところを書き記している」とコメントをされました。


左から藻谷さん、真砂さん、多田さん


 

当日学生さんたちが書かれた記事

 

藻谷浩介さんと田辺の旧市街を歩く

紀伊民報の記事

藻谷さんのご質問により、宮司さんから、闘鶏神社の謂れが引き出されます。新熊野権現(いまくまのごんげん)と呼ばれていた平安貴族の熊野詣での入り口。熊野灘の水軍を束ね、神託を得て、源氏に味方し壇ノ浦での勝利に導いた。その神託が闘鶏で、紅白7羽の鶏を戦わせ、ことごとく源氏の幡記の白旗が勝ったためだと伝わっていると。かつての馬場や境内、馬追の話。「千年かけて生まれ、失われた伝統があるなら、千年かけて戻せばいい」と現在行われていない馬追について解説されました。


平安貴族の詣でる神社を中心に栄えた文化、江戸期の海運の中心となった地勢を解明されてゆきます。

藻谷さんは、津波に流されていない古い社の存在から、この土地が同じ田辺湾の中にあっても安全であったこと。神社と江戸時代の地政のバランスがとれていて、江戸よりも古い時代の文化や気質が守られながら近世をすごしたことを指摘。そして、田辺を「自治力の高い街」と言い切ります。紀州藩の支藩で家老の一人が統治した街の一つ。規模は4万石で、大名レベル。しかし、城主は和歌山にいたため、商人たちの自治力はさらに高まったのではないかと。市民活動の多さ、活発さが地元から指摘されます。

つれもてネットワークの皆さんとのワークショップやオープンデータデイの取り組み、田辺高校との協議大潟神社の取材を通じで、田辺高校の山を挟んだ隣の文理港では大きな津波があったことが記事になっています。

真砂市長自然がに解説をはじめます。山林の産業と梅林の農業が有名な田辺に貝ボタンの産業が隆盛した時期があり、今も生産の伝統が産業に生きていることがしらされると、田辺が栄えた理由の理解に厚みが増し、聴衆が納得を繰り返します。

 

翌日の田辺高校生による本宮で外国人に取材した活動が記事になります

和歌山大学南紀熊野サテライトの主催によるイベントの翌日、参加された県立田辺高校の和田先生が、Facebookに日記が書かれます。和田さんが和歌山大学のイベントにご参加いただけるようになったのは、昨年度、紀伊民報の上仲さんのコーディネートでした。紀伊民報による「田辺高校がLocalWikiを活用した教育を行うことへの支援」のおかげです。和田さんの日記に、熊野ツーリズムビューローの会長で、田辺wikiのスターターであった多田さんがコメントをされます。外国人観光客に対するインタビューの中身を共有して、現場に反映したいと。

田辺のLocalWikiは、和歌山大学の出口教授、此松教授等の教育環境作りの一環でスタートしたため、田辺市を始め、観光協会、商工会議所、南紀みらい、田辺市熊野ツーリズムビューロー、南方熊楠顕彰館、紀伊民報、商店街、そして、和歌山大学南紀熊野サテライトの連携でスタートします。個人のネットワークでスタートした室蘭とは全く別の形を歩み方をしています。時間をかけて、組織間のネットワークの形成を待っていたところに、高校生の取材活動を通じたネットワークの形成を見ることになったと言えます。

和田さんの日記
編集会議の様子

LocalWikiの記事:高校生の取材が街の力に