情報は、蝶という存在の中心にあるし、あるゆる生命の中心にある。

 蝶は目で光を検出し、触角で辺りのさまざまな化学物質の分子を集め、体毛は空気の振動を感知している。つまり、蝶は周りから「情報」を集め、そのあとすぐ行動出来るように情報をまとめて「知識」にした。

 その知識は、鳥や好奇心旺盛な子供の影を検出し、花から漂う蜜の香りを認識させる。その結果、鳥を回避するか、蜜を吸うかのどちらかに蝶を導く。蝶は多くの情報を組み合わせ、自分の未来が良くなるために利用した。

 このような情報への依存は、生物が目的意識を持って行動することと密接に関連している。

 蝶は集めた情報を利用し、特定の目標を達成するために次に何をすべきかを決めた。つまり、蝶は「目的」をもって行動していた。

 生物学では、目的について論じても、あまりおかしいとは思われない。一方。物理科学では、川や彗星重力波の目的について問うことはない。でも、酵母のcdc2遺伝子の目的や、蝶が飛ぶ目的を問うことには意味がある。

 あらゆる生体は、自らを維持し、組織化し、成長し、そして増殖する。これらは、生物が自分と子孫を永続させたいという、基本的な目的を達成するために発達させてきた、目標を持った行動である。