大島の東海岸に位置し、広大な自然を生かした都立公園(海のふるさと村)です。動物園、椿資料館、椿園、植物園と、他に約6Kmの海岸線遊歩道、宿泊・キャンプ施設も充実していて美しい海岸と緑豊かな森を楽しめます。面積約11haの動物園には溶岩流をそのまま生かしたサル島やウォークスルー式の飼育施設、アルダブラゾウガメなどの希少種,愛くるしいレッサーパンダなどが身近に観察できます。6haの椿園は園芸品種約450種3,700本、自生のヤブツバキ約5,000本を有し日本最大規模の椿見本園です。椿まつり期間中は椿温室が開放されます。椿に関する資料を展示した椿資料館は2011年1月ニリューアルオープンしました。

 

海の見える動物園


海の絶景の動物園。この地域は森が深い。
清潔なケージと柔らかい海風に吹かれて暮らす健康な動物を眺めたり、触れたり出来る。公園の第二駐車場に車を止めると、そこから入り口まではずっと下りで緩いスロープが続くので、動物園までベビーカーでも、車椅子でも楽に行くことができる。この設計は動物園全体にも貫かれているので歩きやすい。植物と動物が共存する展示が多く、糞尿の匂いを感じない清潔で心地のいい展示だ。

動物との距離の近さに驚く。海風にあたるゾウガメ、エミュー、アルマジロなど、希少で観る機会の少ない動物を至近距離で、或は触れながら観察することの出来る希有な動物園だ。スダジイやリュウゼツランなど、大島らしい植物があるので植物好きも満足出来る。
駐車場も動物園も無料。にわかには信じがたい飼育、展示、居心地ともに高い水準だけど、大島の人々にとってはこれが当たり前らしい。


入場してすぐ、巨大な鳥のケージに人が入る。数種類の水鳥に加え、ワラビーとキャピバラがいる。大島に生息する天然記念物のカラスバトが目の前で飛んでいる。「そんなに簡単に烏鳩をみられるのか」と驚く間もなく、元気にメスを奪い合うオシドリのオスが目に入る。絶滅危惧種のハワイガン、サカツラガンと子孫のシナガチョウ。「刷り込み」の研究で有名なハイイロガンまで居るではないか。こんな風にガンを複数種比較できる動物園は他にあるのだろうか。


目の前で天然記念物のカラスバトが羽ばたく



溶岩流の保存展示のような谷。盛り上がった溶岩ひと山を含む大きな谷に、水が流れている。そこに約50頭のワオキツネザルがいる。好きに走り回り、フェニックスの葉にぶら下がり、溶岩を駆け上り、陽射しにお腹を開いて日向ぼっこをしている。この猿山、まったく匂わない。同じ谷にはバーバリーシープも数十頭。頭の角をガツンとぶつけ合ったり、あるいたりと、ゆったり過ごしている。出来ればその谷に降りて一緒にぼーっとしていたい風景だ。

ゾウガメが9頭の群れは圧巻。上野動物園から島の環境での飼育を重視して移動したことで有名。動物にとって出来るだけいい環境での飼育を目指した東京都が評価されている。海風にあたるゾウガメは「ガラパゴス諸島を尋ねたか」と錯覚を起こさせる。オスの個体の背中には、飼育員がなにかで擦ったような名前が書いてある。「お客様が個体を識別できるように」と考えたそうだ。一番大きい個体はオスのロクさん。年齢は40代後半で180キログラム。5月頃、外の運動場に出て、11月の中旬には屋内の温かい展示場に入る。餌を見学路の近くで与えるので、小松菜や明日葉を噛む口の様子が具に観察出来る上に、背中に触ることさえできる。



乾燥地に棲むアルマジロの堅い甲羅は、大島では湿気があるのでちょっと拭いてやらないと汚れがのこるそうだ。チョコチョコと走り回るアルマジロを簡単に拾い上げて、まん丸くなったところをゴシゴシと飼育員が拭いている。飼育員と観客がアルマジロの話を始める。マニュアルやショーではない、気さくな飼育員とのやり取りと動物との近さが、まさに世界水準。

 

動物園の記事


ウサギ等の小動物とのふれあいは、第二、第四週末の午前11時から正午まで。
年中無休で開園10時、閉園17時。
この地域は、三原山を南西に抱える山麓のため、日没が早く、冬は特に午前中にご来園されて、日だまりで暖かくお過ごし下さい。
都立大島公園管理事務所
〒100-0103 東京都大島町泉津福重
電話 04992-2-9111



交通機関


大島バス
「大島公園」停下車

大島公園ライン
元町港から33分
岡田港から20分

レインボーライン
三原山山頂口から23分
三原山温泉から20分

季節で時刻表、運行予定が変わるので注意
問い合わせ
大島バス
電話 04992-2-1822
 


関連情報


  • 「サル山も溶岩(都立大島公園動物園)」(伊豆大島ジオパーク(外周編)パンフレット/伊豆大島ジオパーク推進委員会)

火口から流れ出した溶岩は、冷え固まる途中で様々な形をつくります。ワオキツネザルが暮らす動物園の岩山も、溶岩が冷えながら後ろからの流れに押されて、山のように盛りあがってできました。